キミが思ってるより…

LINER NOTE

この曲を聞いた人は、まず同じ言葉を発することでしょう。「あっちゃんがいる!」

 チームサプライズによる「重力シンパシー」公演も残すところあと4曲。まずチーム曲として「キミが思ってるより…」が登場です。この曲を聴いた人は、まず同じ言葉を発することでしょう。「あっちゃんがいる!」

 そうです、この「キミが思ってるより…」にはあっちゃんが参加しているのです。レコーディングやMV撮影がおこなわれたのは、前田敦子の卒業より前だったということでしょう。それにしても、再びAKB48と一緒のあっちゃんが見られるのは嬉しいですね。

 さて、曲の構造は特に複雑ではないのですが、ひとつ大きな特徴があります。「キミが思ってるより…」は、いきなり「歌」から始まります。「ああ、頭サビの曲か…」と思って聞いていると、この部分はいわゆるサビというパートとは呼びにくい部分です。さりとて「大サビ」とも少し違うので、便宜上「Dメロ」と呼ぶことにします。歌詞としては「ここへおいで…」と「ここで待つよ…」の部分です。

 このDメロは合計4回歌われます。冒頭と1番の終わり、そして曲の最後に2回くりかえします。つまり「イントロ」「間奏」「アウトロ」にあたる部分が歌になっているということです。この曲でのインスト部分は、2番終わりの間奏しかありません。曲の他の部分は全て歌っています。

 秋元さんの場合、ほぼ間違いなく「曲先」で、メロディを元に作詞がおこなわれています。このことから類推すると、このDメロは、作曲家は「イントロ、間奏、アウトロ」としてメロディを作っていたのではないでしょうか。そこに秋元さんは「あえて歌詞をつけた」のではないかと類推します。

 この曲は典型的な「スルメソング」です。何度も聴いているうちに段々口ずさむようになってくるでしょう。特にDメロの部分とサビは頭の中をループしてきますよ。シングルというより、公演のチーム曲という感じですね。「高橋チームA」でやったら似合っていたような気がします。

 AKB48にはよくある男の子目線の歌詞なのですが、「僕」と「君」ではなく、「ボク」と「キミ」とカタカナになっています。少し大人な感じがしてきます。音で聞くと同じなんですけどね。

 さて、MVも素敵な作品に仕上がっています。冒頭後ろ姿で登場するのは、前田敦子だろうと思ってみていると…あれ?シルエットが違う。よく見ると、誰なのかが分かります。あれは…「ぱるるだ!」最初に登場するのは島崎遥香です。

 1番では、一人ずつが小部屋の中で歌うワンショットで登場します。MVにおける登場順は(インサートカットは除き)前田敦子、大島優子、柏木由紀、板野友美、高橋みなみ、松井玲奈、渡辺麻友、篠田麻里子、北原里英、高城亜樹、峯岸みなみ、横山由依、指原莉乃、小嶋陽菜、宮澤佐江、島崎遥香となります。あくまでワンショットでの登場順です。全員が上下真黒な衣装を身にまとっています。

 そして全員が登場してのダンスパート。なんと、前田敦子&大島優子によるダブルセンターです!!なんだか贅沢な気持ちになってきます。いつの日か、このメンバーによる「キミが思ってるより…」のパフォーマンスを見ることができるのでしょうか。それとも、これは映像の中だけに封印しておく「いつかのAKB48」の記憶なのでしょうか…。

 この曲を聴くと、僕らがAKB48の歌声と思って聞いてきたのは、前田敦子の声が中心にあった歌声なんだなあと改めて思い知りました。この感覚も次第に変わってゆくのでしょうね。

石神 原